「処分等の求めの申出書」というのは、法令に違反する事実を発見した第三者が、行政庁や行政機関に対して、違法状態を是正するための処分や行政指導を行うよう求める申出書です。ただ法令に違反しているだけではなく、違反する事実に対して処分(罰則)が法令で定められている場合に行うことができる制度です。
私たちが行った申出は、工事着手予定年月日や工事完了予定年月日などの「軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。」と都市計画法で定められていて(※1)、この届出をしない者は二十万円以下の過料に処せられると定められているので(※2)、これらに当てはまる違反があったので処罰をすることを求めるものです。
(株)日建ハウジングは、工事着手予定年月日を「許可次第」として開発許可を受けましたが、許可が行われてから6年以上も工事に着工していないのに、予定年月日の変更の届出を提出していないことが、公文書開示請求によって判明しました。そこで、県知事に処分を求める申出を行いました。
※1 都市計画法第35条の2第3項および都市計画法施行規則第15条第1号
※2 都市計画法第96条
処分等の求めという制度は、行政手続法で定められていますが、ガイドラインでは、「行政機関は、上記の申出がなされた場合には、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない 。」と定められています(※3)。なお、申出を受けた行政庁又は行政機関の対応の結果については、法律上、申出を受けた行政庁又は行政機関に申出人に対する通知義務は課されていなませんが、運用上の取扱いとしては当該処分又は行政処分の相手方となるべき者の正当な利益が損なわれる場合や事務処理上著しい負担が生じる場合等を除き、行った調査の結果、講じた措置の有無やその内容など、申出を受けた対応の結果について、申出人に通知するよう努めるべきであると考えられています。
※3 行政手続法第36条の3第3項
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