ホテル建設予定地の目の前には世界最大級のアオサンゴ群集‼
世界的財産を守りたい
本ホテル計画地の目の前の海域は、世界最大級のアオサンゴ群集が広がる大変貴重な海域です。このアオサンゴは、国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種にリストアップされており、日本だけではなく世界的な財産といえます。
この海域は、石垣市・沖縄県の貴重な自然資源であるとともに、西表石垣国立公園にも指定され、沖縄県の自然環境の保全に関する指針でも「自然環境の厳正な保護を図る区域」と指定されています。
――― 最終処理浄化槽について
業者側の説明資料には「汚水は開発地域内で最終処理施設等によって、自然環境、生態系などへの影響のないレベルまで浄化すること」とあり、説明資料にホテルの浄化槽ら排出される処理水は全窒素10mg/ℓ、全リン0.5mg/ℓと明記されています。
しかし、健全なサンゴ礁海域における水質は、全窒素0.06mg/ℓ、全リンで0.007mg/ℓ (下田ほか1988)であり、事業者が地下浸透を予定している処理水は、サンゴ態系にとっては100倍もの負荷がかかる値の水が地下に排出される事なります。
〔引用文献〕
下田 徹、市川忠史、松川康夫(1998) 琉球諸島のサンゴ礁における栄養環境とそのサンゴ生育への影響. 中央水産研究所調査報告12, p.71-80.
――― 地下浸透について
処理後の排水を地下浸透にゆだねても、海岸から数10mの距離で隙間がたくさんある石灰岩の上の計画地での地下浸透される処理水は、すぐにサンゴ礁の海に流れ出し、サンゴ礁の生態系に悪影響を及ぼす恐れがあります。そのうえ、この白保海岸の地形は外洋とは違い、リーフと海岸の間の海域はには礁池(イノー)の呼ばれる閉鎖的な海域が広がっています。そこでは、大きなうねりや台風がないかぎり、海水がかき回されることもなく赤土や栄養塩が滞留しやすい場所になっています。このことから、排水を地下浸透させることによって、サンゴ礁の浅瀬に生息する生き物をはじめ、白保海岸の生態系に悪影響が及ぶことは明らかです。
①次世代へこの環境を残したい
私達白保の人々は、世界的にも大変貴重な白保のアオサンゴ群集を守り、次世代の子供たちに残していきたい!そのために子供たちへの環境学習やサンゴ礁保全の活動として、ビーチクリーンや赤土調査、赤土流出防止活動にも積極的に取り組んでいます。このように私たちが大切に守っている環境を、企業の営利活動によって破壊されてよいのでしょうか。
②白保自慢のアーサ等の海産物
「白保のアーサは香りも良くて、上等さぁ」
白保の海は魚や海藻に恵まれており、昔から海人だけでなく畑人(農家)もおかずを取りに海に下りていました。今でも、冬にはおばぁがアーサ等の海藻をとる姿を見ることができます。
白保の住民にとってこの海は生活と密着した非常に重要な海域であり、白保住民の財産であります。
そんな海の目の前でサンゴ礁に影響を与えると考えられるレベルの処理水を地下浸透させてしまったらどうなるでしょうか。
白保の自慢のアーサをはじめとした、礁池(イノー)に生息する生き物はどうなるのでしょうか。
ホテルができることで、1日に約500人分の生活排水がでます。目の前のサンゴ・生き物達はこれに耐えられるでしょうか。
観光客は自然を求めて白保に来ます。しかしその自然を破壊し人工物を作り、いったい何を見せようというのでしょうか。